はじめに
「1兆ドルコーチ」というインパクトあるタイトルに惹かれ、本書を手に取りました。
ビル・キャンベルは1兆ドルにも値するコーチだった。いや、1兆ドルは彼が生み出した価値に遠く及ばない。
彼はスティーブ・ジョブズがつぶれかけのAppleを立て直し、時価総額数千億ドルの会社にするのを助けた。
ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン、エリックがスタートアップだったGoogleを時価総額数千億ドルの企業にするのを助けた。
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ビルは史上最高のエグゼクティブコーチだった。そして彼は個人のパフォーアンスを最大限に引き出すことに専念する、ただのエグゼクティブコーチではない。ビルはチームをコーチした。
1兆ドルコーチ
1兆ドルはこのようなエグゼクティブ、チームへの貢献を指しています。
多くの大きな課題を抱えるエグゼクティブに対してどんなコーチングをしたのか、チームへのコーチングというのは何なのか。
そんな問いを持ちながらわくわくしながらページを開きました。
以下の記事で、KindleとマインドマップアプリiThoughtsを使った、すばやくポイントを掴む高速マインドマップ読書術について紹介しました。
マインドマップを使って本書をまとめましたので、上記の2つの問いに対するポイントを紹介をします。
1兆ドルコーチの2つのポイント
議論すべき「トップ5」を挙げよ
ビルは家族などの仕事以外の話をしてから、「君のトップ5はなんだ」とジョナサンに聞いた。
このやり方は、ジョナサンが自分の時間と労力をどう優先づけているのかを知るための、ビルなりの方法だったのだと、ジョナサンは今更ながら気がついた。
もしもミーティングがビルのリストから始まっていたら、ジョナサンは何も考えずにそれを受け入れただろう。
リストについての話し合いは、それ自体コーチングの一貫だったのだ。
1兆ドルコーチ
エグゼクティブとのコーチングに置いては、このような問いかけがされていたとのこと。
あなたの今の解決すべき課題、問題のトップ5はなんでしょうか?
モヤモヤと思っていることはあっても紙に書いて具体化はできていないのではないでしょうか?
問題に向き合い、現実を直視するのは結構なストレスですし、それを1つや2つならまだしも5つも挙げるのは結構大変です。
些末な課題を出すことはできたとしても、そのトップ5をあげるというのは、自分がどこに優先度を置いているのか、どこを見ているのかということを明らかにします。
表層的な課題ではなく、問題の本質や根本的対策を考えることが重要です。
チーム・ファースト
私たちマネージャは、とかく目の前の問題にとらわれがちだ。状況はどうなっている?
問題は何だ?選択肢は何がある?など。
これらは有効な質問だが、コーチはより本質的な問いによってチームを導こうとする。
誰が問題に当たっているのか?
適切なチームが適所に配置されているか?
彼らが成功するために必要なものはそろっているか?
1兆ドルコーチ
チーム・ファーストとして「問題そのものより、チームに取り組む」というのも新鮮な視点です。
問題に直面すると、どうしても問題を分析し、解決策を掘るところだけに目がいってしまいます。
その問題解決に当たるチームが機能するのか、必要なサポートは何か、という見方はしていませんでした。
声かけ、コミュニケーションを通じて、チームの絆や心理的安全の確保を作るところも含めて、チームをコーチするということです。
まとめ
『1兆ドルコーチ』を読むにあたって、
1.目次から読みたい節の抽出
2. 特に読みたいものにマーキング
3.マークした節から読みマインドマップにメモ
という3ステップを踏むことで、素早く自分が持っていた問いの答えに辿り着くことができました。
- 多くの大きな課題を抱えるエグゼクティブに対してどんなコーチングをしたのか
- チームへのコーチングというのはどういうものか
本書を読むと個人にとどまらないコーチングの大きな可能性を感じることができます。