はじめに
バレットジャーナルは過去、現在、未来に関する柔軟な情報整理システムです。
過去のやったことの記録を振り返ることができたり、複雑なたくさんのやることを整理し、今に集中できます。
さらに将来の見通しを持ち、備えることができるシステムです。
これまでロイヒトトゥルム A6サイズでバレットジャーナルを1年程度書いてきました。
デジタルツールを活用することでバレットジャーナルのレベルを上げることができないか。
そう考えて、iPad miniを使ったデジタルバレットジャーナルにトライしています。
Apple Pencilを使うことでカラフルで写真や画像を使った楽しいノートが作れます。
紙のノートと比較して、デジタルバレットジャーナルのメリットとデメリット10点を紹介します。
デジタルバレットジャーナルのメリット
何度でも書き直しでき、移動・コピペもできる
文字を書き直したり、図を修正したい時、デジタルノートは消しゴム機能で簡単に編集できます。
書き間違えたり、走り書きしても安心。すぐに修正できます。
紙のバレットジャーナルでもフリクションペンを使えば消すことはできますが、若干跡が残り、美しさは犠牲になります。
さらに、マインドマップを描いている際、紙のノートではスペースが足りなくなったり、内容的に別の場所に移動させたくなる時があります。
そんな時も、Apple Pencilでさっと囲って選択し、簡単に移動させることができます。
特にOneNoteは自由度の高いキャンバスに広々と書くことができます。
また、メモの一部を別のページに移動させたり、コピーペーストも簡単です。
紙の場合は、書き写しの手間がかかります。
様々なペンを使い分けてノートを耕せる
デジタルノートは多様な蛍光ペンやカラーペン、そしてボールペンや鉛筆、万年筆などのペンやその細さも自由に変えることができます。
黒、赤、青、緑の4色ボールペンでもかなりの色分けはできますが、やはりデジタルのほうが自由度が高くて便利です。
アイデアを深め、活用するにはノートは何度も見返し、耕すことが重要です。
デジタルノートであれば、後から書き足した部分が分かるようにペン色を変えることもできますし、様々な蛍光ペンでハイライトすることも簡単です。
紙のノートにガンガン書いているとインクの消費が激しくなったり、インクがかすれて綺麗に書けないことがあります。
デジタルバレットジャーナルの場合、インクを買ったり、入れ替える必要はありません。
ページ数の制限なく、ページ順も変更できる
あるプロジェクトに関するページをまとめたい。
習慣トラッカーのページや今年の目標のページなど、よく見るページはノートの先頭にまとめたい。
デジタルであれば、ノートのページ順を簡単に変えることができます。
また、ページ数の制限もありません。
紙のバレットジャーナルは、インデックスを使ってコンテンツの参照を管理する仕組み。
あるプロジェクトに関するページが分散していると、あちこちに飛ぶ必要があり、使い勝手が落ちます。
システム手帳をバレットジャーナルとして使えば、ノートの差し替えや順番の入れ替えもできるのですが、かさばる、重くなるデメリットがあります。
写真や画像、資料を取り込める
デジタルノートは、スマホで撮った写真、クリップアートを挿入することができます。
写真や画像にメモを書くこともできます。
さらに、関連するPDFファイルの資料を添付したり、あるWebサイトのキャプチャ、YouTubeの動画リンクを貼ることもできます。
様々なメディアをまとめて扱えるのはデジタルならではです。
紙のノートの場合、写真等を印刷して貼る必要があります。
バックアップの安心感
デジタルノートの多くはクラウドサーバへのバックアップ機能を備えています。
例えばNoteshelfの場合、DropboxやEvernoteに自動でバックアップできます。
また、ノートアプリがマルチデバイスに対応していればスマホ、タブレット、パソコンでノートを見ることができます。
大事な予定やタスクが紙のバレットジャーナルにしか書いていないとすると、無くすと大変です。
Googleカレンダーと併用するなど事前の対策が必要でしょう。
デジタルバレットジャーナルのデメリット
迅速性の不足
紙の手帳はしおりを活用して今日のページを開いたり、よく使うページに付箋を貼ったりすることで、所望のページに素早くアクセスできます。
しおりや付箋を使わなくともおおよその位置がわかっていればページをめくって探すのも比較的簡単です。
一方で、デジタルノートはどうしても手間がかかります。
iPad miniのロックをはずして、アプリを起動して、所望のノートを選択するという手順が必要です。
GoodNotesのように付箋機能やタブ機能、さらには検索機能を活用することで、アクセス性を向上することは可能です。
それでも紙のノートの直感的な使い勝手には届きません。
常時表示不可でバッテリがなくなると使えない
紙のノートは机の上で、必要なページを常に開いておくことができます。
ちらっと目をやれば今日の予定やタスクをチェックでき、ペンですぐに書き込むこともできます。
一方、iPadアプリのデジタルノートは、電力消費低減のため、そしてセキュリティのため、ロックがかかるため、あるページを常時表示しておくということはできません。
また、バッテリ残量がなくなると、ノートの閲覧も書き込みもできなくなります。
バッテリ残量を気にしながら使う必要があります。
デジタルノートで常時表示したい場合は、常時表示が可能な電子ペーパーデバイスを選ぶ必要があります。
重くてかさばる
iPad miniは300gでコンパクトなサイズですが、スーツのポケットには入りません。
iPadやiPad Proの場合、さらに重く、大きくなります。
A6サイズのロイヒトトゥルムは軽くてポケットに入り、どこでも持ち歩くことができます。
記憶力の差
東京大学大学院総合文化研究科らの研究で、紙の手帳の脳科学的効用~使用するメディアによって記憶力や脳活動に差~が発表されています。
スケジュールなどを書き留める際に使用するメディア(紙の手帳や、スマートフォンなどの電子機器)によって、記銘(記憶の定着)に要する時間が異なり、想起(記憶の再生)での成績や脳活動に差が生じることを初めて明らかにしたとのことです。
手帳群(手書き)、タブレット群(手書き)、スマホ群、それぞれ16名に具体的なスケジュールを書き留める課題を行い、その後、スケジュールの内容について想起して回答する課題をMRI装置内で実施しています。
結果として、手帳群は他の群よりも短時間で記銘が完了し、課題の成績は同程度だったことから要領よく記憶できるということ。
紙の場合、言葉の情報と紙上の場所や書き込みの位置関係といった視覚情報を空間的に関連づけて記憶でき、紙のノートが有利とのことです。
コスト
デジタルバレットジャーナルの場合、iPadとApple Pencilの本体の必要がかかります。
有料のノートアプリを使う場合、その値段も加わります。
iPadを使う主目的が別にあるのであれば費用は問題になりませんが、バレットジャーナルのためにそろえるのは割高です。
紙のバレットジャーナルであれば手近にあるノートとペンですぐに始められます。
また、紙のノートはデザインや紙質を選ぶ楽しみがあります。
ロイヒトトゥルムはエメラルドクリーン、アジュールなどセンスのいい色が揃っていて、使い分けにこだわることもできます。
ページをめくる手触り感や書き味を楽しむこともできます。
まとめ
アナログのバレットジャーナルに対するデジタルバレットジャーナルのメリット、デメリット10点を紹介しました。
- 何度でも書き直しでき、移動・コピペもできる
- 様々なペンを使い分けてノートを耕せる
- ページ数の制限なく、ページ順も変更できる
- 写真や画像、資料を取り込める
- バックアップの安心感
- 迅速性の不足
- 常時表示不可でバッテリがなくなると使えない
- 重くてかさばる
- 記憶力の差
- コスト
バレットジャーナルは頻繁にノートをチェックして書き込む使い方です。
そのため、迅速性の不足と常時表示不可の点は、デジタルバレットジャーナルの大きな欠点です。
カラフルなノートを書きたい、写真や図を貼り込んだり、資料を添付するなどデジタルならではの機能を活用するのであれば、デジタルバレットジャーナル。
シンプルにバレットジャーナルを実践するのであれば、記憶力のメリットもある紙のノートがいいでしょう。
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