はじめに
新年の目標を立てていますか?
今年の目標に、作年できなかった目標がそのまま入っていないでしょうか。
今年こそはダイエットを達成する 今年こそは英語を頑張る 今年こそはマラソンを走る 今年こそは資格をとる 今年こそは早起きする
短期間で達成できる目標は、ある期間にガッと集中すれば良いのでそれほど難しくはありません。
しかし、ダイエットや学習、マラソン、早起き等は長期戦。
行動を継続、習慣化して積み上げなければ達成できません。
ちょっとうまく行かなくて投げ出してしまったり、いつの間にか日々の忙しさに埋もれて忘れてしまったり。
長期戦が必要な目標がなかなかできないというのは多くの人の共通の悩みでしょう。
以下の記事において、Richard Wiseman教授によると、禁煙や減量、人間関係や資格など様々な新年の目標を立てた700人のボランティアの方の調査をした結果、22%の参加者のみが目標達成できたとのこと。
興味深いことに失敗した人の多くがやっていたのは、意思の力に頼ったり、成功を思い浮かべたり、ロールモデルを持つということだったと述べています。
目標を立てるときはやる気に満ち溢れ、今年こそはできそうだ、という根拠のない考えになりがちです。
一旦、立ち止まって、なぜうまくいかなったのか、どう変えたら成功の確率があがるのか、チェックする時間をとってみましょう。
目標設定に関する10のチェックポイントを紹介します。
目標のチェックポイント
上記の記事で紹介されているRichard Wiseman教授による「新年の目標を立てるときの10の成功の秘訣」に基づき、目標をチェックします。
1)
①目標を1つに絞る; 自分のエネルギーを1つに絞ることで成功の確率が上がる
②目標を考える時間を早めにとる; 人生で本当に成し遂げたいことを振り返りよく考える
③以前に立てた目標は避ける;過去の目標に向き合うことはフラストレーションや失望につながる
④世の中の一般的な目標ではなく、あなたが本当に得たいものを考えよう
⑤目標をステップに分けて、具体的で測定可能で時間に基づくサブ目標に集中しよう
⑥友人や家族に目標のことを話そう;失敗への恐れを増やし、サポートを得よう
⑦定期的にその目標のベネフィットを思い出そう; 目標を達成したらどのように人生が良くなるのかチェックリストを作ろう
⑧サブ目標を達成したら小さなごほうびを自身に与えよう;モチベーションや進んでいる感を持つことができる
⑨計画や進捗管理を具体化しよう; 手書きの記録でもよいし、デジタルのスプレッドシート、掲示板にグラフを書くのでもよい
⑩ときには古い習慣に戻ってしまうことも受け入れよう;すべての失敗は一時的な後戻りと考え、全てを投げ出してしまうことの理由にはしないように
Key to keeping New Year resolutions revealed by psychologist
①目標を1つに絞る、②目標を考える時間をとる、④あなたが本当に得たいものを考える
あれも、これもと多くの目標を立てすぎてはいないでしょうか。
1つに絞るのは難しくとも、本当にやりたいもの、やるべきものを選び抜きましょう。
たくさんの目標を立てても達成しなかったら意味がありません。
いくら優先度の低い目標を達成できたとしても本当に大事な目標を達成できなかったら達成感、満足感は下がるでしょう。
特にできたらいいなという目標は、世の中一般で言われている目標であることが多く、自分にとって本当に得たいものか問いかけましょう。
目標達成がうまくいかなったのは、そもそも本当に自分が欲しているものではなく、大変な状況のときに踏ん張れなかったという可能性があります。
目標を選びぬく際には重要度と緊急度の2軸で整理するといいでしょう。
重要度は、本当に「自分の」人生にとって重要なもの・波及効果の大きいものです。
緊急度は今年1年以内の時間軸であるのか、2,3年あるいはそれ以上の中期的な目標なのかで考えます。
軸 | 緊急度高(この1年) | 緊急度低(2,3年以降) |
重要度高 | ここにフォーカス | 来年以降のリストへ持ち越し |
重要度低 | やりたいことリストに入れておく | 手放す |
今年に取り組むべき目標は「重要度、緊急度が高いもの」です。
重要度が低いものは思い切って手放しましょう。
大事なことを達成するには他のことに割く時間はありません。
時間やエネルギーなどを集中することが必要です。
もし手放すのに抵抗があるのであれば、やりたいことリストに入れておくこともできます。
重要度高・緊急度が低い目標については、来年以降の目標のリストへ持ち越しましょう。
目標を考えて、選び抜くことは自分と向き合う活動であり、結構、時間とエネルギーが必要です。
特に年末年始は時間を確保しやすく、目標を立てるエネルギーにも溢れているタイミングです。
目標を立てる静かな時間を確保しましょう。
③以前に立てた目標は避ける
昨年の目標は覚えていますか。
手帳やノートに目標を書いている方は作年の手帳を見返します。
SNS、ブログで新年の抱負を宣言している方は過去の投稿を引っ張り出します。
心の中で誓っただけという方については、作年に立てた目標を書き出してみましょう。
もし去年と同じ目標を引きずっているのであれば、目標の焦点や項目を変えて新しい目標に作り替えましょう。
例えば、「TOIEC800点を取る」という昨年の点数の目標に対して、「週20時間、年間1000時間、英語の勉強をする」というように行動習慣の目標に変えてみるのもよいでしょう。
体重を「6月までに5kgダイエットする」という目標も、「毎日8000歩、歩く」という行動習慣の目標にしたり、「夜20時以降は食べない」という健康習慣の目標にすることが考えられます。
⑤目標をサブ目標に分ける、⑧小さな報酬を設定
作年の目標は、より小さなサブ目標にブレイクダウンできていたでしょうか。
目標が抽象的であったり、大きすぎるため達成できなかったのかもしれません。
目標をいくつかのサブ目標に分け、1ヶ月や1週間というステップにブレイクダウンし、日々の行動に落とし込みます。
日々の行動まで具体化しないと行動に結びつかず、目標達成に近づくことはできません。
行動を習慣化するためには様々な習慣アプリが使えます。
習慣化アプリのアプリカタログ【2020年版】をご覧ください。
また、小さな報酬や「ごほうび」の活用も工夫できるポイントです。
大きな目標が達成できた時に自分へのごほうびごを与えることはあっても、目標のサブ目標やマイルストーンの段階でごほうびをあげるというのはあまりやっていないのではないでしょうか。
「習慣を続けるために”ごほうび”を用意する3つの理由」の記事も合わせてご覧ください。
⑥友人や家族に目標のことを話そう
作年の目標を立てたとき、周りの人に話をしたり、宣言したでしょうか?
もしやっていなかったのであればこれも試す価値はあります。
友人や家族に話したり、SNSで発信したり、ブログで宣言しましょう。
ただし、目標を人に話す時、1つ注意点があります。
それは「努力とセットで話す」こと。
例えば「今年はマラソン大会に出る」ではなく、「今年はマラソン大会に出るから、週5日トレーニングする」という形です。
目標を人に話すことで満足してその後の努力が伴わないということにならないように、習慣化の目標は口外しないか、努力とセットで話すのが良いでしょう。
一方で、目標を身近な方に言うのが抵抗ある場合は、匿名性がある場で宣言するという手段もあります。
みんチャレは、匿名の5人のチームチャットで励ましあって共通の目標を達成する、習慣化サービスです。
⑦定期的にその目標のベネフィットを思い出そう; ⑨計画や進捗管理を具体化、⑩ときには古い習慣に戻ってしまうことも受け入れよう
「目標によってどんなベネフィット(利益)を得るのか」を定期的に思い出すのも重要です。
目標を立てる時は、目標に向かって努力する明確な理由やイメージがあったとしても、時間が経てば忘れてしまいます。
しっかりとノートや手帳に書いて見返すことができるようにすると良いでしょう。
また、これまで目標達成に向けた進捗管理や振り返りはできていたでしょうか。
これもスケジュール化して、そのための時間を確保しましょう。
例えば、毎週土曜日の15分、進捗管理をしつつ、目標に向かって努力する理由やベネフィットを確認するのはいかがでしょうか。
振り返りの際に進捗がよくないと投げ出したくなってしまうこともあるでしょう。
前進していることを実感できるようにするためにも、実績を見える化することが重要です。
一時的に停滞や後退があったとしても、それまでにできたこと、進んでいることが見えるのは大きな後押しになります。
学習習慣化アプリ「スタディプラス」ではこれまでの累積の勉強時間が見える化されています。
これが大きな自信につながります。
「運動、ダイエット、英語習慣。成果が出なくてやめたくなるときに思い出すこと。」の記事も合わせてご覧ください。
まとめ
新年の目標を立てるときの10の成功の秘訣に基づき、新年に立てた目標をチェックする方法を紹介しました。
毎年、同じような目標を設定していて、いつもできていないのであれば、別の新鮮な目標に作り替えてみましょう。
目標達成は日々の行動を蓄積していく長期戦ですが、努力や忍耐ではなく、技術で戦うことができる領域です。
習慣化の技術を活用し、仕組みや環境を作って目標達成に向けて行動していきましょう。