はじめに
タイムマネジメントがうまくいかないと悩んでいる方、多いのではないでしょうか?
やりたいことをやる時間がない
仕事が終わらない
もっと自分の時間が欲しい
よりうまく時間を使いたい、効率化したいと様々な工夫や取り組みをしていると思います。
ただ、それで本当に豊かな時間が得られているでしょうか?
「ザ・コーチ3 時間泥棒と賢者の地図」には、「時間泥棒」というお話が出てきます。
「お母さん、時間泥棒って知ってる?」
「美咲がやるお芝居にでてくるの?」「そう。時間泥棒ってね、ボスがいて、灰色のスーツを着た子分がいっぱいいるの、それで、子分達は、村人をだまして、時間をどんどん節約させて、その村人たちが節約した時間を食べて生きてるんだよ」
「へえ〜〜〜そうなの。それで、時間を食べられた村人たちはどうなっちゃうの?」
「いつもイライラして、忙しい忙しいって言って、人とおしゃべりをしたり、人の話も聞かなくなるの。それに、笑顔がなくなっちゃうの」
ザ・コーチ3 時間泥棒と賢者の地図
効率化のためにギチギチにタスクを入れたり、マルチタスクをしようとして余裕がなくなったり、常に追われた感情になっているのでは、そこに豊かさ、ごきげんはありません。
あなたのタイムマネジメントの目的は?
本書の問いである、「自分にとって豊かな時間とは何か?」、ということを考える必要があります。
つまり、自分のタイムマネジメントの目的をどこに置くのかということ。
1日にたくさんのタスクをこなすことを目的とするのではなく、成果を出しながら、いい感情を保ち、自分にとって豊かな時間を過ごすことを目的としましょう。
たくさんのタスクをこなして達成感が得られても1日の終わりにヘトヘトだったり、いつもイライラしているというのでは、成果と感情のバランスはなく、豊かな時間は得られません。
「時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」では、以下のように、もっと仕事を片付けても大事な時間を作ることは作れないと主張しています。
多忙中毒の理屈でいえば 、大事なことのために時間をつくりたいなら 、 「もっとやれ 」ということになる 。もっと成果を挙げ 、もっと効率を上げ 、もっと目標や計画を立てる 。大切な瞬間を生活のなかでつくる方法は 、それしかないのだと 。
だが 、僕らはそう思わない 。もっと仕事を片づけても 、大事なことをするための時間はつくれない 。もっと疲れ果て 、気ぜわしく感じるだけだ 。
時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」
豊かさ、ごきげんを軸にすると、一日の予定の立て方は変わります。
豊かを軸にしたタイムマネジメントを3ステップで考えます。
- タイムブロッキング:一番大事なことの時間を確保する
- スケジュール:時間の金貨を配分する
- レビュー: 振り返り、改善する
豊かさを軸にしたタイムマネジメント
タイムブロッキング:一番大事なことの時間を確保する
第一に、自分にとってその日を豊かにするために一番大事なことの時間を確保します。
一番大事なこと、やりたいことは人によって違いますし、また状況によっても変わってきます。
仕事、家族、趣味、健康、副業などの観点で、自分に今、何が大事なのかを問いかけます。
頭の中でぐるぐると考えてもなかなかまとまらないため、書き出すのがおすすめです。
- 早く帰ってジムに行って汗を流す
- 家族と旅行の計画をたてる
- 大切な人と美味しいワインバーに行く
- 自分の作品を作る
- 見たかった映画をゆっくり見る
- 読みたかった本をゆっくり読む
- 起業のための活動をする
- 目の前のタスクにかかりきりで先延ばしになっているタスクを今日こそやりたい
- 散らかっている机の上を片付けたりファイルを整理したい
- 思いついたアイデアで企画書を書きたい
書き出したものから今日は、これ!と一日の最重要事項を決めます。
時間術大全では、自分にとって最も優先度の高いこと、1日でこれを達成すれば満足できることを「ハイライト」として決めて、それを集中して最優先で実行することを提唱しています。
それは最も緊急性の高いものでも良いですし、自分がもっともやりたいこと、満足感や喜びがあることでも良いとのこと。
ザ・コーチ3 時間泥棒と賢者の地図では、「一番大切なことは、一番大切なことを大切にすること」であるといっています。
いつか時間ができたらやろう、と思っていても、暇な時間ができることはまずないため、永遠にそれは実現しません。
やりたいことを先送りして、やるべきことだけやっている人生は、もったないです。
そしてカレンダーにその時間を最優先で確保、タイムブロッキングします。
これは1日で絶対に死守する活動、時間です。
スケジュール:時間の金貨を配分する
第二に、1日のスケジュールをデザインします。
ザ・コーチ3 時間泥棒と賢者の地図では、時間を黄金の金貨に例えて、それを自分の活動に配分するという考え方を示しています。
自分の価値観に沿って、未来のありたい姿の為に、自分の黄金の金貨を配分する。
きっと、この配分を計画することも、創造の瞬間なんだ。
想像して、優先順位を考えて、配分を計画して、それを実行する。
その繰り返しを通して僕にしか創り上げられない人生を生きていく。
ザ・コーチ3 時間泥棒と賢者の地図
まさに、「時は金なり」ということですが、あまりに無自覚で金貨を使っていることに愕然とします。
だらだらとYoutubeを見てしまったり、電車で爆睡してしまったり、夜ふかしでゲームをしてしまったり、あまり気の進まない飲み会に参加したり。
金貨を払ってこれらの活動をしたいかというと全くそんなつもりはならないですよね。
金貨を積極的に使って得たいものに、時間を配分しましょう。
- ブログ、アプリ開発の時間は優先して確保したい。
- 生産性を上げるために休息する時間も戦略的に確保したい。
- 最近睡眠負債がたまり気味なので、しっかり睡眠時間は確保したい。
1日の理想の時間割を書くとき、金貨を配分すると考えると、真剣に考えます。
成果を出しながら、いい感情を保つというバランスをとるために金貨を使いましょう。
注意点としては、金貨を無駄にしたくないと、やるべきことを詰め込みすぎないこと。
成果を出しながら、いい感情を保つことがタイムマネジメントの目的ととらえれば、やるべきことだけをたくさん入れてもそれにはつながらない。
レビュー:振り返り、改善する
そして第三に振り返りを行います。
スケジュールを立てたとおりに実行できる日もあるでしょうが、そうでない日が多いのではないかと思います。
自分が実際に金貨を何にどう使ったかを小遣い帳のように振り返ります。
1日は1440分。 1440USDを1日にもらって、使ったと考えてもよいかもしれません。
1分1ドル。 今日の為替で1ドル は約108円です。
Youtubeをだらだら30分見たら、30USD(3240円)になります。
カレンダーに、自分が何に時間を使ったのか色分けをして可視化します。
- レッド: インプット、アウトプット、開発のような自分の夢、目標につながる投資的時間
- イエロー: 元気が出る、楽しい、リラックスなど自分のエネルギーを充電する時間
- ピンク: 家族、友人などとの交流の時間
- グリーン:食事、風呂、身支度などの生活に必要な消費の時間
- ブルー: お仕事的時間
- グレー: 浪費の時間
振り返りにおいて、グリーンは食事や睡眠、身支度など生活(消費)の時間ですが、この時間を削ると余裕、遊びがなくなるため、それはやりません。きちんと十分な金貨を配分します。
ブルーの時間には自分の金貨の多くの割合を配分しています。
ここはより効率化して生産性を上げて、同じ金貨でより多くの成果を出せるようにし、配分する金貨を減らすことを目指します。
代わりに、なりたい自分になるための投資の時間(レッド)を増やしたいという考えです。
またピンク、イエローは豊かさを感じられる時間ですので、喜んで金貨を配分したい時間です。
この図ではグレーの時間は出ていませんが、これがあったら次の日には浪費時間がないように、あるいは最小化するにはどうしたらよいか対策を考えます。
まとめ
タイムマネジメントに関して、1日にたくさんのタスクをこなすことを目的とするのではなく、成果を出しながら、いい感情を保ち、自分にとって豊かな時間を過ごすことを目的とする、という考え方を紹介しました。
また、豊かを軸にしたタイムマネジメントの3つのステップを説明しました。
- タイムブロッキング:一番大事なことの時間を確保する
- スケジュール:時間の金貨を配分する
- レビュー: 振り返り、改善する
毎日、1440USDをどのように配分するのかのスケジュール、そして、それをどう使ったのかという振り返りを習慣化していけば、よりよいタイムマネジメントができるようになると思います。
ごきげんな時間を創っていきましょう。