
SNSや動画は更新されているものを一通り見ないと気が済まず、長時間見てしまって夜更かし。
調べ物をして検索をしたら、ついつい関係のない他のニュース記事を見てしまいあっというまに1時間立っていた。見なければよかったと反省。
作業中もメールの着信通知があるとつい開いて見てしまい、脱線。作業に集中できない。
スマートフォン、PC等のデジタルツールやソーシャルメディアに振り回されていないでしょうか?
デジタル依存になると寝不足になったり、目の疲れや肩こりに悩まされたり、ストレスがたまったり、集中できていないなど様々な問題に波及します。
デジタルツールの使いすぎや、ストレスが社会問題となっています。
ついつい使いすぎてしまうというのは習慣になっていて自動的にそのような行動をしてしまっているかもしれません。
デジタルツール、ソーシャルメディアは生活を楽しく、便利にしてくれますし、そこで学んだり、交流したり、有用なツールです。
この記事では、デジタルといい距離感を保ち、上手に付き合っていくための方法について紹介します。
デジタルとの付き合い方を自ら考え、コントロールしていく「デジタルデトックス」を今日から始めましょう!
デジタルデトックスとは?

オックスフォード辞書では、デジタルデトックスとは「スマートフォンやコンピュータ等のデジタルデバイスとソーシャルメディアプラットフォームの利用を自発的におさえる期間」のことといわれています。
デジタルデトックスにより、ストレスを減らしたり、リアルな人との交流に集中できたり、自然とつながる機会をもてるとのこと。
A period of time during which a person refrains from using electronic devices such as smartphones or computers, regarded as an opportunity to reduce stress or focus on social interaction in the physical world.
Digital Detox | Definition of Digital Detox by Lexico
デジタルデトックスの目的はデジタルツールやソーシャルメディアの使いすぎによってもたらされるストレスや注意散漫な状態を減らし、リアルな人との交流や体験、今の作業に集中することによって得られる充実感や満足感、没頭する状態を実現することと考えています。
デジタルツールやソーシャルメディアを活用する時間と、自ら離れる時間のバランスをとって、上手に付き合っていくことが重要です。
デジタルデトックスの3つのステップ

デジタルデトックスをはじめるにあたり、1.準備、2.実践、3.継続の3ステップで説明します。
- 1.準備
- 現状を把握する
- 目標を決める
- 環境を整備する
- 2.実践
- 利用ルールを決める
- アプリの利用時間を制限する
- デジタルから離れる時間を持つ
- 3.継続
- 振り返りを行う
- やり方を調整する
準備

準備のステップは、現状を把握することと、目標を決めること、そして基本的な環境を整備することの3つを行います。
自分がどれだけデジタルツール、ソーシャルメディアを使っているのか利用時間や頻度、何が問題なのか、現状を把握します。
問題としては、心身の体調もあれば、デジタルツールやソーシャルメディアに時間を奪われて時間がないということかもしれません。
自分としてどうありたいのか、どのような問題を解決したいのか、手に入れたい状態を目標として決めます。
さらに、スマートフォンのアプリを絞ったり、通知の設定など基本的な環境を整備します。
環境を整えることでスムーズな実践ができます。
実践

実践のステップでは、利用ルールを決める、アプリの利用時間を制限する、デジタルから離れる時間を持つの3つを行います。
時間や場所などデジタルツールを使う上での自分のルールを決めます。
準備のステップで把握した自分の現状の利用状況や有りたい状態としての目標を踏まえて、無理のない実行可能なルールを設定します。
アプリについては1日の利用時間を制限したり、夜遅くには使わないという利用制限をします。
さらに、数時間、半日、1,2日などある程度まとまった時間、デジタルから離れることも行います。
継続

2,3日であればルールを守っていい距離感でデジタルツール、ソーシャルメディアと付き合うことはそう難しくはないでしょう。
大変なのはこれを続けることです。
継続のステップは、振り返りをすること、やり方を調整すること、目標を更新することの3つを行います。
まず振り返りを行い、実際の自分の利用時間や状態の変化を把握します。
改善できているときもあれば、停滞したり、問題を感じることがあるかもしれません。
そして、この振り返りに基づき、環境の整備をしたり、ルールを見直したり、やり方を調整します。
さらにデジタルデトックスを続けることで、当初の目標も変わってくると思われます。
さらに高い目標としたり、今の自分の状況に合わせて目標を見直します。
準備編:現状を把握する
自分がどれだけデジタルツール、ソーシャルメディアを使っているのか利用時間や頻度、何が問題なのか、現状を把握します。
iPhoneの場合はスクリーンタイム、Androidスマートフォンの場合にはデジタルウェルビーイングの機能でチェックできます。
iPhoneスクリーンタイムを使う
iPhoneのスクリーンタイムを使う場合の操作ですが、設定アプリからスクリーンタイムをタップします。

表示は1日単位、1週間単位で切り替えられますが、以下の画面は週表示を示しています。

1日の平均利用時間は4時間28分、合計は約13時間であり、アプリのカテゴリごとの内訳は仕事効率化が6時間30分、エンターテイメントが1時間14分、読書及び辞書/辞典は54分とあります。

問題点を分析する
下にスクロールすると、より細かくアプリの利用時間を見ることができます。
トップはマインドマップアプリのiThoughtsでカテゴリとしては「仕事効率化」になります。いろいろとアイデア出しで使っていたため、3時間18分とかなり利用時間が長くなっています。
その次がブラウザのChromeですがこれも「仕事効率化」のカテゴリになります。
利用用途としては、調べ物のための検索やブログページのチェックがほとんどです。
ブラウザは何のページを見ていたかまでは教えてくれないので、自分で何に使っていたかをよく振り返りましょう。
目的が遊びのネットサーフィンであれば、カテゴリとしては本来エンターテイメントのため、現状把握においては、アプリ単位で見ていくのがよいと思います。
そして第三位がYoutubeです。
Youtubeはカテゴリは「エンターテイメント」です。これは一部、英語の学習のために見ていることもありますが、ほぼ楽しみのために見ています。
この時間は1日15分までに抑えたいと思っています。

さらにスクリーンタイムを見ていくと、次はiPhoneの持ち上げ回数と持ち上げて最初に利用したアプリが出てきます。
持ち上げ回数は、自分が何のためにスマートフォンを使おうとしたのかという意図を示しています。
カメラは写真を撮りたいという意図が明確です。
Gmailの回数も結構多いですが、これはメールチェックの頻度が多すぎるということかもしれません。
このように実際の数値で示されると問題点が浮き上がってきます。
さらにその下には通知回数があります。

一番回数が多いのはWalletですが、これはSUICAで改札を通るたびに通知が出るためです。
結構邪魔なため、もう少し絞ってもよいかもしれません。
次がGmail、Facebookメッセンジャーが同程度です。
このようなコミュニケーション系の通知もできればもう少し絞りたいところです。
準備編:目標を決める

あなたはデジタルデトックスをなぜやりたいのでしょうか?
デジタルデトックスを通して、どのような状態を手に入れたいのでしょうか?
自分としてどうありたいのか、どのような問題を解決したいのか目標を決めましょう。
あなたの理想の状態は?
例えば、得たい心身の状態としては、長時間のスマートフォンやPCの利用による目の疲れ、首・肩こり、腰痛、頭痛などの痛みが解消され、エネルギーに満ち溢れた元気な状態でしょうか。
操作による手や指の疲れ、首の疲れなど、長時間同じ姿勢をしていることによる疲労の解消もあるかもしれません。
頻繁にソーシャルメディアやメールをチェックすることによる、落ち着きがなくバタバタした感情から離れたいということもありそうです。
またデジタルツールやソーシャルメディアによる夜ふかしが引き起こす、不眠や眠りが浅いなどの睡眠不足や睡眠の質の問題を解消したい方もいるでしょう。
疲労や痛みなどがなく、よく眠れている状態、元気にカラダが整っている状態が理想ですね。
ノートに書いて目標を明確化する
ぜひ、得たい状態を目標として、ノートに書き出してみましょう。
以下の項目を書いてみてはいかがでしょうか。
項目 | 説明 |
記入日 | 目標を立てた日 |
目標期日 | 目標を実現したい締め切り |
心身の状態 | 例. 肩こり、目の疲れがない、イライラなく元気な状態) |
時間の使い方 | 例. Youtubeは1日15分、SNSも1日15分までにおさえて、趣味や読書、家族との時間などやりたいことへの時間がとれている。 |
目標にはいつまでにその状態を得たいのか、日付も入れるのが重要と思います。
では、いつに設定するのかですが、例えば、1ヶ月後にして、集中的にやってみるのはどうでしょうか?
あるいは区切りのよい、4半期末や自分の誕生日でもよいかもしれません。
いつかそうなりたいではなく、いつにそうなっているのかという自分への宣言をしましょう。
心身の状態、時間の使い方は、自分の言葉で書くのがよいと思います。
また、書いた目標はそれをよく見えるところにおいておくのがよいですね。
- 手帳に貼る、Evernoteのノートに貼る
- 印刷してファイルに綴る、部屋に貼る
- 写真を撮ってスマホのアルバムに入れる
などなどお好みの方法で自分の目につくように工夫してください。
準備編:環境を整備する

目標を決めたら、早速行動しましょう。
まずは環境整備として、スマートフォンの利用環境を整えます。
具体的にはスマートフォンのアプリを整理し、通知を抑えるように設定します。
できるだけ自分の意思の力や頑張りに頼ることなく、環境や仕組みで望ましい行動をとれるようにします。
アプリを整理
まずアプリの整理として、利用を控えたいアプリはホーム画面の目につかない場所に配置し、利用するまでの操作や手間を増やします。
一方、積極的に利用したいアプリや自分の活動に必要なアプリは目につく、利用しやすいホーム画面の場所に配置するようにします。
ただ、このアプリの配置をやる前に、不要なアプリは削除しましょう。
スマホ画面が整理されず、アプリであふれていると、使いにくいということもありますが、ストレスになります。
便利で楽しいアプリが次々に提供されていますし、アプリの紹介記事などを見ていると、どんどんアプリが増えます。
まずはいったん、必要なアプリに絞り込むという作業が必要です。
不要なアプリを削除
以下のようなアプリはどんどん削除しましょう。
使っていないもの
ダウンロードしたけど一度も使っていないアプリ、以前は使っていだけどもう使はないアプリは削除しましょう。
たまにしか使わないアプリ
数ヶ月あるいは一年間に一回しか使わないアプリというのもあると思います。
ブラウザから利用可能なものはアプリは削除しても支障ないかもしれません。
またほんとうにそのアプリは必要かも考えるといいですね。便利だと思って残しているが、それほど必要性を感じないというケースもあると思います。
気に入っていないもの
使い勝手が悪い、デザインが好きではないというものも削除してしまいましょう。
アプリを削除してもまたダウンロードして使うことはできますので、試しに消してみるというのもよいと思います。
アプリの配置場所を変える
アプリを削除し終わったら、利用を控えたいアプリはホーム画面の目につかない場所に配置し、利用するまでの操作や手間を増やします。
FacebookやYoutubeは利用を控えたいため、ホーム画面から1タップでは起動できないようにしています。

コミュニケーション、メッセージ系は矢印の指しているフォルダにまとめていて、Facebookアプリもその中に入れています。
アイコンが小さく表示されるため、あまり目立ちません。
一方、Youtubeは写真とビデオというフォルダの中に入れており、フォルダを開いてスクロールしないとたどり着けないようにしています。

ホーム画面からは見えないため、ついついYoutubeアプリを押してしまうということを防止しています。
また、Youtubeを見ようかなと思っても操作が若干面倒なので他の行動にスイッチできる可能性を上げています。
アプリの通知を絞る
スマホの通知に気付くたびに、スマホにさわっているとせっかくの集中がそがれたり、スマホを使いすぎてしまいます。
通知は必要最小限に絞りましょう。
まず設定アプリから通知メニューを開きます。

そして、電話やメッセージなど通知をタイムリーに受けたいアプリについては、「通知を許可」をオンにし、「ロック画面」、「通知センター」、「バナー」、「サウンド」、「バッジ」についてそれぞれ全てオンにして確実に通知に気付くように設定します。
一方、通知が不要なものについては「通知を許可」をオフにします。基本は「通知」はオフがいいでしょう。

一方、Gmailのようにタイムリーに通知を受けたい訳ではないが、受信メールがあることだけは知りたいというものについては、通知センターとバッジのみをオンにしています。
この程度の控え目な通知であれば、あまり邪魔にはならないです。

通知の操作について詳細はこちらの記事が詳しいです。

まとめ

以上、現状を把握することと、目標を決めること、そして基本的な環境を整備することの3つの準備を行いました。
もしまだ目標がしっくりいっていないのであればもう一度、目標を見直してみましょう。
また、アプリの通知の設定についてもアプリが多いと少し大変かもしれませんが、ここをしっかりやっておくと、効果が大きいです。
ぜひアプリの削除と配置、そして通知の設定は行ってください。