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02Science & Technology

習慣化の科学と技術

「続かない」のはなぜ? どうすれば変えられる? 習慣化を支える理論と、行動科学×デジタルの実践・研究を、5つのテーマでやさしく紹介します。

43%
行動は習慣でできている
3
個人・組織・地域のレベル
5
学べるテーマ
01Why habits

気づけば、今日もスマホ。なりたい自分には、まだなれていない。

なぜ「習慣」なのか

現代社会は、睡眠不足・運動不足・不健康な食事など不健全な習慣に陥りやすく、ウェルビーイングのための「整える習慣」が大切です。また仕事・勉強・スポーツで成果を上げるには、持続的な行動が欠かせません。人の行動の約43%は習慣だと言われ、無意識の繰り返しをどう設計するかが、すべての出発点になります。

行動の43%は習慣やりたい・やめたい習慣ウェルビーイングと成果
02The science of habits

三日坊主。「やる気が足りない」せいだと思っていませんか?

習慣の科学

習慣は意志の強さではなく、仕組みで決まると言われています。「きっかけ→行動→報酬」の習慣のループ、行動を自動的に引き出す文脈キュー(context cue)既存の習慣に重ねる積み上げ(habit stacking)環境や動機づけ、心理的要因——個人から組織まで、行動が定着する科学的メカニズムが数多く研究されています。同じ文脈で行動を繰り返すほど、その行動は自動化していきます(Wood & Rünger, 2016)

習慣のループ文脈キュー積み上げアプローチ心理・動機づけ
03Designing habits

続く人は、意志ではなく「仕組み」「環境」変えている。

習慣化デザイン

習慣化デザインは、人間の行動パターンと環境の相互作用を理解し、望ましい習慣を形成しやすい条件を整える体系的なアプローチです。行動を単発の意志ではなく「システム」として捉え、環境を最適化し、行動変容のステージに合わせて設計します。たとえば、能力・機会・動機づけの3要素から行動をとらえるCOM-Bモデル(行動変容ホイール)や、選択肢の並べ方で行動をそっと後押しするナッジ(選択アーキテクチャ)など、確立された枠組みを活用します。下の「続けるための手法」で、具体的な工夫を紹介します。

環境の最適化COM-Bモデルナッジ・選択アーキテクチャ行動変容ステージ
04Keeping it up

順調だったのに、一度休んだら戻れなくなった。

続ける技術

習慣形成の過程では、多くの人が共通の壁に直面します。モチベーションの維持、時間管理、環境からの誘惑、そして一度くずれたときの後戻り(リバウンド)こうした障壁には、「〇〇したら△△する」と前もって決めておく実行意図(IF-THENプラン)が有効で、忙しさや誘惑のなかでも行動を後押しします。下の「続けるための手法」や書籍・アプリも参考になります。

実行意図(IF-THEN)モチベーション維持後戻りへの対処困難な状況での継続
05Technology & research

あなたの行動データは、続けるための味方になる。

テクノロジーと研究

近年は、デジタル技術と行動科学を組み合わせた新しい習慣形成アプローチが広がっています。スマホアプリやウェアラブルによる習慣トラッキング、人とAIが協働するeコーチング、自分のデータで自分を知るパーソナルインフォマティクス、習慣の強さを測る自己報告式習慣指標(SRHI)個人から組織・地域コミュニティへと広げる社会実装の研究も進んでいます。下の「アプリで実践」では、実際に使えるアプリを紹介します。

eコーチングパーソナルインフォマティクスSRHI(習慣指標)地域への社会実装
06Methods

続けるための手法

研究や実践から知られている、習慣を続けるための代表的な工夫です。気になるものから試してみてください。

小さく始める(プラス10)

「腕立て1回」「プラス10分・10歩」ハードルを下げ、まず始められる大きさにする。

なりたい自分とつなげる

「やせたい」より「健康的な人になる」望む自分像と結びつけると続きやすい。

IF-THENプラン

「〇〇したら△△する」と、きっかけと行動をあらかじめ結びつける。

習慣の積み上げ

既存の習慣の直後に新しい行動を重ねる(habit stacking)

環境をデザインする

やりたい行動は易しく、やめたい行動は面倒に。環境の側から後押しする。

記録・可視化する

カレンダーやアプリで進捗を見える化し、連続(ストリーク)育てる。

ごほうび設計

達成にバッジ・ポイントなどの小さな報酬を結びつけ、達成感を高める。

仲間の力

宣言・共有・チームで励まし合い、続ける力にする(ソーシャルサポート)

振り返る

うまくいった/いかない要因を見直し、やり方を更新する。

参考文献

本ページの内容は、習慣・行動科学の主要な研究に基づいています。さらに学びたい方へ、代表的な文献を紹介します。